「初恋ゾンビ」雑感(第78話「その気持の名前をボクたちはまだ知らない」)
第78話「その気持の名前をボクたちはまだ知らない」冒頭、前回からの続きで、指宿クンの危機は、「気持ち悪い」の一言であっけなく解決。ノンケの男同士だったなら、まあ当然の反応。「きゃー」とか叫ばなかった指宿くん、偉い。
この回の最大のポイントは、イブが現実のモノに触れることができるようになった、という点に尽きる。
モノに触れられる、ということは、実体化しかかっている、ということか。
もし、イブがここまま実体化してしまった場合、実体化したイブは、もはや「ゾンビ」とはいえない存在になると考えられる。
すると、本体(?)である指宿くんとイブとの関係は?
実体化したイブは、タロウの初恋が成就すると、やはり消えるのか?実体化した「人間」が消えてしまう、というのは、かなりホラーな展開ではある。
ところで、タロウの額の傷と、初恋ゾンビとは、密接な関係がある。
イブが他の初恋ゾンビに触ったときに、タロウの額の傷が悪化した。これを、指宿くんは「負荷がかかった」と表現している。イブの行動がタロウの額の傷に影響を与えてるわけだ。
今回、タロウが江火野の (胸の)下敷きになって額の傷が広がった。これと実体化との因果関係は、いまのところ不明。イブの行動や状態が一方的にタロウの額の傷に影響を与えているならば、江火野の胸の下敷きになったのは、いわゆるラッキースケベかも知らん。
そこで、ふと、「額に傷」、「幻影が見える」で、トレパネーションを思い出した。トレパネーションの場合、額に穴、だし、この作品中の「ゾンビ」達は、現実の人間に影響を与えることができるらしい(特に失恋ゾンビ)から、トレパネーションとは違うと思うけれど。
タロウの家系では、男性にときどき「初恋ゾンビ」が見える特性が出現するとのこと。
これはもしかすると、トレパネーション的な頭蓋の構造を遺伝的に受け継いでいる、ということかも。
タロウは、幼少期はあったこの特性が、指宿クンとの頭突きでいったん封印(?) され、江火野の打球を額に受けることで、この特性が再発動した。今回、イブは実体化の兆しを見せ、タロウの傷はおそらく悪化した。
…仮に、このままイブが完全に実体化してしまうと、タロウが危険な状態に陥るのでは?
少年サンデー連載「初恋ゾンビ」雑感
最近の週1の楽しみの一つである、少年サンデー連載の「初恋ゾンビ」、連休明けの最新話は、生徒会長選なのである。
で、タロウ達にとって最悪の人物である「みさを」が現状当確で立候補してしまい、「みさを」の当選を妨げるべく対立候補を探すのだが、その条件が「女の子の票が取れる、モッテモテの男の子」。
…って、そんな怪しげな奴(恋ヶ浦某)に頼まなくても、身近にいるでないの。他でもない指宿クンに立候補してもらえばいいじゃない、と、思わず考えてしまった。
だが、私としては生徒会長選も面白そうだが、それより何より、イブの変化の方が気になるわけで。
イブは、タロウの意思を離れ、自分の装いを自分で変えることができるようなった。自身の自覚なく。ますます一個の人格としての存在感を強固にしているわけだ。
一方、タロウにはイブがまだ見えている。ということは、取りも直さず、タロウの初恋の人が幼き頃の指宿クンであることを示している。しかしながら、いま、指宿クンが実はタロウの初恋の人であることをタロウが知ってしまったとして、タロウの心は指宿クンに向かうだろうか。
これは難しいのかもしれない。
つまり、イブが一個の人格としての存在感を強めるほど、その人格は、本体であったはずの指宿クンの人格との差異は広がっていく。いや、むしろ、イブが人格を獲得し始めたその頃から、イブは指宿クンの単なる 幻影ではなくなっている、といった方が正確かもしれないが。そして、イブはそれこそ四六時中、タロウと一緒に生活し、また、イブからのアプローチも極めて積極的である。
これに対して、指宿クンのアドヴァンテージは、実在の人間である点以外、今のところ思いつかない。
その上で、もし、タロウがイブに「触れる」ことができるようになったら、どうなるか、など、今後の展開の興味は尽きない。
ところで、特に最近のイブを見ていて、妙にもやもやする気持ちがあった(変な意味でなく)。デジャブというか、何となく懐かしいというか。
で、先日、フト、イブという存在は、私のラブコメ的人格(?)の源流である女性とイメージが重なるのだ、ということに思い当たったのである。その女性とは勿論、この人、もはや古典的傑作といえる「うる星やつら」のヒロイン「ラム」、である。
人格を獲得したイブは、電撃こそ出さないけれど、空中を漂う女生徒であり、タロウにも積極的である。この「空中を漂う女生徒」という設定は、異世界モノの作品ならともかく(うる星やつらも、半分くらい異世界が混じっている気もするが…)、高校生の日常を描いた作品では、珍しいのではなかろうか。あ、同じサンデーに連載の「境界のRINNE」も空中を女生徒?が漂っているな、奇しくもRINNEはうる星やつらと同じ高橋留美子先生の作品であるところがポイントか(何の?)。
イブがタロウのことを「ダ~リン」と呼んでも違和感無さそうだし、もし「初恋ゾンビ」がアニメ化した際には、イブのCVは、平野文さん演じるラム的な、少し舌足らずでクセが強い声優さんにやってもらいたいものである。
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「けものフレンズ」が人気な理由って、やっぱり…
「けものフレンズ」のネタ、連チャンである。最近こればっかりだ。
何でも巷で大人気らしいが、一部のコアな人達に受けているだけのような気もする。
「なぜ大人気なのか」という記事も頻繁に目にする。そこで、私も便乗してみようかと。
しかしだな、「けものフレンズ」が人気な理由は、そんなに深く考えるようなものでもないという気もするわけで。
私が思うに、「けものフレンズ」の人気の理由は、「適度なユルさ」、「分かり易い展開」、そして、「謎めいた世界観」。この3点に尽きる。
まず「適度なユルさ」。これは説明の必要すらないだろう。とにかくフレンズたちは、概ねのんびりしているし、あまり色々なことを考えず、好戦的でもない。あ、第6話のライオンとヘラジカは少し違うか。でも、彼女らにしても、怪我をするほどの戦いは望んでいない。
何にせよ、フレンズたちは、見かけは人間に近いけれど、中身はより動物に近い。この「見かけは人間に近いけれど、中身はより動物に近い」というコンセプトは、アニメでは実は新しいのではなかろうか。だから、フレンズたちは人間のように小賢しい策を弄したりはしないし、狩りも「狩りごっこ」なのである。優しい世界であり、癒やしの時空である。
次に「分かり易い展開」。これは、前にも書いたが、作品のストーリー展開がRPG仕立てであり、何かのはっきりとした課題(クエスト)を解決しつつ、ストーリーが進んでいく。これが非常に明確に表現されていて、ストーリーを理解容易で、観ているものが混乱することがない。
そして、「謎めいた世界観」。作中の世界がどのようなものか、いろいろ考察をしている人も多いと思う。つまり、作中に隙を作り、手掛かりを散りばめておき、考察できる余地を設けておく。考察は、正解に達しなくても良い。考察することが楽しいのだから。
この「謎めいた世界観」と上述の「適度なユルさ」とが同居している作品は、案外少ないのではなかろうか。
私もそんなに多くのアニメを観ているわけではないので、確証はないが、「謎めいた世界観」で最初に思い浮べたのは「魔法少女まどか☆マギカ」である。しかし、「魔法少女まどか☆マギカ」は、決して緩いストーリーなどではなかった。
「適度なユルさ」の作品は、私はあまり観ないのだが、咄嗟に思い浮べたのは「キルミーベイベー」や「ゆるゆり」などである。しかし、これらの作品に「謎めいた世界観」は存在しない。…いや、「キルミーベイベー」は謎めいているといえば謎めいているが、ギャグアニメでもあるし、考察の対象となるような謎ではない。
上記の3点を備えたアニメは、過去には意外と無かったのではないかな。
ただ、「けものフレンズ」はまだ第6話が終了した段階であり、1クールをあと半分残している。第7話ではストーリーの大幅な展開が予測できるし、今後どのような路線となるかは、制作者のみぞ知る。
…ということで、第7話を楽しみにあと何日かを生きていくのである。
「けものフレンズ」について、さらに妄想してみた
TVアニメ「けものフレンズ」第4話まで、雑感
追記:読み直すと少々矛盾する点があったので一部修正しました、まだまだ変なところがありそうな雰囲気ではあります(2/4 19:08)